乙女の祈り

Loadさんの箱庭のヴァルハラをプレイさせていただきました。
前作のThe primary oathをプレイしたときにはもう少しなんとかならないかな……と思っていたのですが、今回は劇的に改善されているなと感じました。
立ち絵、スチル共に、前作に比べてかなり質が上がっていますし、ゲーム自体もやりこみ要素があるので、かなり私好みです。

私はあまり公式サイトなどで事前情報を仕入れずにプレイしたいタイプなので、誰が攻略キャラなのかもわからない状態で始めたのですが、サブキャラも豊富で、通常シーンも楽しめました。
やたらに絡んでくるディーンは攻略キャラかと思ったら、そうではなかったのでちょっと残念だったほどです……。キリル兵長が攻略できないのもとても残念です。
攻略キャラの5人（ロイス、ルーデル、カッシオ、ニーベン、シーヴァー）はどのキャラも魅力的で、どのルートでも金太郎飴ではないそれぞれのシナリオを楽しむことができました。グッドもバッドも両方見ておきたくなります。
私はカッシオ→ルーデル→ロイス→ニーベン→シーヴァーの順でクリアしたのですが、どのキャラも萌えが詰まっていて困りました。最後にとっておいたニーベンとシーヴァーが特に自分好みでした。
特にニーベンシナリオを見た後にシーヴァーシナリオを見ると、彼がこんなふうにデレるのか……と大変興味深かったです。
私がこれまでにプレイした中でもトップクラスの萌えだったと思います。

プレイ時間はだいたい、3時間半ほど。
ただ、これは「あまりしっかり読みこまなくてもよさそうだな…」と思った説明部分などを流し読みしての長さなので、きちんとその辺も読んで行くと、おそらく１プレイで４時間少々かかるのではないかと思います。
総プレイ時間は正確にはかったわけではないのですが、だいたい20時間ほどでした。
（※私は称号を全部集め、CG、エンディングともにコンプリートしてあります）
一部エンドではステータスが重要なので、そこで手早く育成できるかどうかもプレイ時間に関わってくるかと思います。
１５００円でこのボリュームなので、プレイしての満足感はあるなと思いました。
これでもっと称号が多かったら、育成を極める遊びを始めていたに違いないと思いますが、安価な同人ゲームでそれはさすがにワガママですね……。そのくらいハマりました。

ただ、その反面、システム面には少々不満が残ります。
オマケなども充実していて楽しいのですが、微妙に操作性が悪く、CGモードもキャラ紹介と一緒になっているのでやや見づらいです。
既読スキップはなぜか妙に速度が遅く、ときどき停止してしまいます。また、逆に未読もスキップしてしまうこともあります。
（※スキップの遅さは私のPCスペックが低いのも関係しているかもしれません。余談ですが、ブラウザなど他のウィンドウで画面の一部を隠すとものすごい勢いでスキップを始めるので、未読部分をスキップするのさえなければプレイが大変快適になります）

また、細々としたバグもまだ残っており、たとえばルーデルハッピーエンドをクリアした後にバッドエンドをクリアすると、エンディングリストからハッピーエンドのタイトルが消え、見たはずのCGも見ていないことになったりします。他にも、プレイに支障のない範囲のバグはいくつか発見しました。
（※上記のバグはパッチで修正済みですが、パッチ適用前にエンディングを見ている場合には、再度エンディングを見る必要があります。エンディングさえ見れば修正されるので、エンドに一番近いセーブデータから再開してスタッフロールまで見てください。スキップを使ってもOKです）

メッセージウィンドウのサイズも、画面が640×480の場合のサイズを、そのまま800×600サイズに拡大したかのような大きさで、少々大きめに感じました。
1ウィンドウに最大で4行入るのですが、4行みっちり入っているセリフなどが多々あり、文章に多少の読みづらさを感じます。
もう少しまめに改行してあるだけでも、だいぶ違うのではないかと思うのですが……。

また、キャラクターの立ち絵や、スチルなどが、メッセージウィンドウに隠れることを前提に制作していないのではないかと思われることも。
ただ前回とプレイし比べてみると、色々な意味で改善されているので、次回にはこれも改善されるのでは？　と希望を抱いています。

ゲームそのものは面白く、エンディングも攻略を見ずにコンプリートしたい欲望に駆られます。
（私はヘタレなので攻略を見ながらプレイしましたが……）
ストーリー面は恋愛や、それ以外の部分もきちんと書き込まれており、恋愛の絡まないルートも十分に楽しめました。
それだけに、システム面の使いづらさは残念に思いました。
ただ、1500円と（ボリュームに比べて）安価であることを考えると、お買い得なゲームではあるかと思います。